aQ-studio TALK vol.2 by junior
written by junior(WEBライター)
3人を引き合わせた、美大祭
ーここまで、それぞれの出会いについてお話しいただきましたが、3人でつながるキッカケはどういったものだったんでしょうか。
永:それは間違いなく美大祭(金沢美術工芸大学の学祭)ですね。これは会社設立の契機にもなっています。当時、僕は福井の大学に進学していて、秋山、龍ヶ江の大学が隣の県で割と近かったのもあり、秋山に呼ばれて2016年の美大祭に参加したのが始まりでした。
秋:目的があった訳ではなく、「学祭おいでよ」くらいの軽いノリで呼んだんですよね。美大祭は、石川県唯一のお酒が飲める文化祭として、夜通し行われるなど珍しさもあって、ここではちょっとした有名な催し物。各専攻の美大生による展示やワークショップとか、さまざまな出し物があるなかで、学祭初日の街を練り歩く「仮装パレード」とそれに連なる「仮装劇」や、2日目に実施されるクラスのイチオシ男女による「男女装」が盛り上がる一大イベントです。翌2017年の学祭では、その仮装劇や男女装で司会をしていました。
龍:美大祭では、僕たちのなかでもたくさんエピソードがあります。例えばその時だと、ちょっとしたトラブルでもう1人の司会が急遽来れなくなっちゃって。どうするか現場も慌てていたところ、秋山さんが半ば強引に永井くんを指名して、2人で司会をやったということもありました。
秋:あったね。永井は本当にただ遊びにきてただけで、お願いしたのも本番直前だったけど、焦ることなく男らしく「わかった」とだけ言ってやり遂げたのがすごかった。ほかにも文化祭のコンテンツに「カナラジ」という喋れるラジオブースみたいなものがあって、公募制だったけど希望者が僕しかいないくらいの過疎ブースだったんですが、そこにも永井と一緒に参加して、ラジオでずーっと喋り倒してました。
龍:それが好評を博したのか、以降毎年永井くんもセットで文化祭に呼ばれるようになりましたよね。
秋:どうやら永井とやった司会やラジオトークが好評だったみたいで。翌2018年の学祭から「今年もぜひお願いします」とお願いされるようになりました。それまで有志でやっていたのに、多少お金を出すから是非きて欲しいと。
永:第3者の目線で見れたことがないけれど、おもしろかったという評価も貰いましたね。美大祭に毎年来るようになって、龍ヶ江とも仲良くなったかな。
龍:そうですね。音楽の趣味が合ったのがキッカケかも。カナラジで、音楽を流す時に、次こういう曲流そうぜって話したり、一緒にライブでセッションしたりして仲良くなったかな。
秋:いつだったかの学祭で、休憩から放送ルームに戻ってきたら、永井がカホンで龍ヶ江がギターでセッションしてたって時もあったね。
永:皆、お酒が入ってるのもあってか、ほんとになんでもありの文化祭でした。龍ヶ江の歌う曲で放送をジャックしたり、手刷りで作ったCDを売って、出展ブースの赤字をカバーしたり。逆に秋山は兼部している中国文化部として麻婆豆腐を作ったり。
秋:参加していると、妙に惹きつけられる「カオスな文化祭」でした。一方で、展示とかコンペとか、学祭として真剣な部分もある、美大生には欠かせない、両面備えたイベントです。
— 映像も見せていただきましたが、学祭というより「祭」といった印象ですね。
永:そうなんです。とはいえ、コロナの影響を受けて、2020はオンラインでの開催を余儀無くされ、そこでは「祭」のテイストは影を潜めています。
龍:コロナの影響で美大生が作品を出す場所が無くなった、というのも会社設立のキッカケの一つにはなっています。学祭は、工芸科の学生がアクセサリーやお皿を売っていた場所でもありましたが、それがなくなってしまった。それはきっかけとして大きいかもしれません。
TALK3に続く
TALK3では、最後に出た「コロナの影響」について深くお尋ねしました。